今日は「ならし」について。
先日の前ふりのとうり、「ならし」について、お伝えしていきます。
エンジンやトランスミッション、フォークなどさまざまなモノを組み直した時に、「ならし」の必要性があります。
走り込んで摩耗した物を、最初のクリアランス(隙間)に戻すことが、修理(オーバーホウル)です。
厳密に全分解、、精度を高めていく事はもはや修理の域を超えていきます。
それはどういう事かと言いますと…。
メーカーからの出荷状態よりも高い精度にしていけばいくほど、タイトで、より「ならし」が必要で重要になります。
逆に、わざと「広め」のクリアランス(ルーズ目)に設定しておけば、「ならし」は簡単に済みます。
「ならし」とエンジン温度(または、各パーツ。トランスやフォークなど)の関係性は非常に重要です。
例としてエンジン。
エンジン温度の上昇によって、各エンジンパーツ達は膨張し設定されたクリアランスに変化が起きます。
その時に、冷間時には触れなかったところが当たり出します。
そして、潤滑されながらも摩耗していきます。
エンジンが完全に冷え、また別の機会に乗ります。
その時には、温まっても以前の場所は当たらず、別の場所が当たっていきます。
これらを繰り返し「あたり」を付けていきます。
点接触だったのが、だんだんと面であたっていくイメージでしょうか。
面であたっていくことで、衝撃は緩衝されていきます。
では、具体的な「ならし」について…。
このような形で、オイル交換や扱いをしていくことで、良いエンジンに仕上がっていきます。
最終的な仕上げをオーナー様自身がおこなっていくのです。
その結果、エンジンの様子にすごく敏感になります。
よく仕上がったエンジン(または各パーツ)は、
とても静かで、スムースです。
エンジンがカチャカチャうるさいのがハーレーと思っていたり、
白煙を吹いているのがハーレーと思っているのは間違いです。
寒い時期は「ならし」にとって、メリットが多いです。
ばっちり直して、最高のシーズンを迎えてください。
1953 Hydra glide