Truett and Osborn

今日はトレット&オズボーン製クランクについて。
マニアの方はご存知の方いらっしゃるかもしれません。
一般的なハーレー乗り、又はビギナーの方、知らない方の方が多いかもしれません。
1970年よりアメリカはカンザスにて、40年以上にわたりフライホイールを製造しているメーカーであります。
わたくしの長い間の悩み・疑問に思い続けてきたことが、解明しました。
いきなり答えから…。
鋳造フライホイールは金属の減衰力に優れています。
これを明確に伝えている文面など、見たことありません。
たまたま作業時に発見した、簡単実験!
2枚のホイールを持ち、リム側面をぶつけます。
鍛造>キーーーーン…(余韻)。
鋳造>キンッ(余韻無し)。
これってもしかして…!!
強度に優れる鍛造フライホイールにハーレーも移行していきました。
EVO. Twin-Camは鍛造フライホイールであります。
硬いビリビリ来る、高周波の振動は、不快に思われるはずです。
ショベルまでの鋳造フライホイールの車両に乗ると…。
やわらかな乗り味。
高周波のビリビリはありません。
ここまでは、何台か乗り継いだ方などはご存知の方もいるかもしれません。
そして、マニアになってきますと…。
オールドモーターを性能アップさせるべく、ストローカーなどにHop upしていきます。
この時にほとんどの場合、鍛造(forged)フライホイールになることでしょう。
その乗り味は…、さきほどのビリビリという感じの振動がおまけで付いてきてしまうのであります。
それをなんとかできないか?
っと、いうことで、芯だしの精度やバランス取りの%など、考えて取り組んでまいりました。
その結果…、すこしよくなりました(笑)。
排気量のアップと、高出力化にともなって、振動が大きくなるという理屈は納得できる部分ではあったのです。
しかし…。
Shovel と Evo.の間にある振動の質の違い…。
これがずう~と、ずう~と、わからずにいました。
言葉で伝えるのも、とても難しい…、感覚的なことであります。
しかしあるときに、鍛造フライホイールから鋳造フライホイールに交換する依頼をいただきました。
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最近では、重いクランクと軽いクランクの違いに着眼して語られるようにもなり、20年前とはレベルも格段に上がっております。
重いフライホイールにすべての分がある訳ではありません。
下の回転域でのトルクこの部分に分があります。
軽いフライホイールには
レスポンスの良さ、高回転時に分があります。
デメリットはお互いがトレードオフということです。(逆の特性)
トルクアップの目的で、Truett &Osborn “torque monster”というフライホイール(std仕様に比べて、重い)を選び組み付けました。
エンジンスタート!
まずは、いきなりアイドリングが「あのアイドリング」であります!
試乗してみると…。
ビリビリする嫌な振動が軽減(ほぼ無い)!
!!!
そうまるで、オールドモーターのようであります!!!
それはある日…。
ふとしたことから、金属の減衰力という言葉に気付いたのであります。
注意書きに振動についてのコメントが書いてあり、
「また~、セールストークで書いてあるんじゃないの~?」くらいだったのですが、
金属の減衰力ついて調べてみますと…、
鋳鉄には優れた減衰特性がある。
と書かれております。
また、ねずみ鋳鉄(FC),ダクタイル鋳鉄(FCD)の種類があり、FCDは延び特性を出して強度を高めてます。
減衰だけをとらえればFCに分がありますが、
Truett & Osborn製フライホイールはFCDにて高強度としているようです。(本人談)
かつて、流用フライホイールによってストローカー・モーターのレーサー達がクランクの破損に苦しんだ…、というのは有名なストーリーであります。
50’s創業のS&S cycleはフライホイールからスタートした、ビッグカンパニーです。
割れない為、レスポンスの為、鍛造フライホイールにする。
一つの回答ですね。
のちに、ハーレーが採用するほどになった…。素晴らしい回答だと思います。
Truett & Osbornはひたすらにフライホイールを作り続けてきた。
別のアプローチで…。
両者はともに正真正銘アメリカン・メイドであります!
しかし、全く異なる乗り味になります。
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革新的なS&S。
伝統的なT/O。
あなた自身が選べるわけです!
なんて素晴らしい時代なのでしょう!!
振動の少ないストローカー・モーター。
出来ますね!
Evo.なのにShovelのようなfeelingのモーター。
など、夢は広がります!
それが出来るとわかり、とてもワクワクしました!
乗り味について。
重いかたまりが、どこか遠くでグルグルチカラ強くまわっている。
スロットルを開けた瞬間から加速していく…。
ビリビリは無く、ドカドカと力強く加速していく…。
止まりそうで止まらない「あのアイドリング」…。
まさに、皆さんがイメージしたであろう感覚です。言葉で表現は無理があります…。
重いだけでは無く、製造方法に着眼。
Late 60’sよりKansasにて…。
Truett and Osborn Flywheels.
STD ver. と Torque monster ver.があります。
stdバージョンは、Evo.と同じで両フライホイール同質量。
T.Mバージョンは、Shovelと同じでスプロケット側が厚くできています。(純正と同程度)
注。特別重たくではないので、オールドモーターを同じストロークで入れ替えても劇的変化はありません。
ストローカー・フライホイールとして使用時に、恩恵あり!
C.J Osborn氏は、オールドモーターの持つ感覚や特性を、理解しています。
ご報告でした。
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C.J.Osborn. Thank you again.
I appreciate.
And Respect.