今日は点火時期調整について。
点火時期調整はエンジンの性能を引き出すために、必要な重要な調整のひとつです。
4ストロークエンジンの場合、クランクが2回転すると、
全気筒の燃焼が済みます。
圧縮工程の上死点前にスパークプラグがスパークします。
このときのクランクの位置を角度で呼びます。
上死点前20度など。
古いハーレーの場合、フルアドバンス(最大進角時・一番点火時期が進んだ)時35度となっています。
ノーマルスペックの場合。
ツインプラグや、燃焼室形状、ガソリンのオクタン価、様々な要因で35度がベストとはいえなくなります。
ノーマルの35度の場合、
タイミングホールプラグをあけて、タイミングホールのセンターにタイミングマークがいる位置が、上死点前35度となります。
それをクリアビュープラグを付けて、エンジンを始動し動的に調整していきます。
その前に、静的調整を行っておくと調整も早くすみます。
動的には、2500rpm程度まで回転を上昇させると、最大進角時となるので(それ以上マークが進角側に動かない)、
その状態で窓からマークが見えるようにします。
ポイント点火や、トランジスタ点火、などありますがこの作業を必要とします。
この調整により、遅角時から進角時の位置決めが出来たことになります。
もうひとつ重要な要素として、進角曲線(アドバンスカーブ)というものがあります。
遅角時から進角時に至るまでの曲線の事を言います。
例えば、
アイドリング時上死点前5度
1500rpm時 上死点前35度
だったとしたら急激に進角しすぎでノッキングしまくりとなります。
仮に3000rpm付近のトルクバンドに入っていても、十分なトルクは得られないでしょう。
同様にコーナーで減速し、クリップをとらえ立ち上がりで加速する、
そのときもトルクがないため回転が上がってこず、ノッキングでエンジンを痛めてしまう事でしょう。
1000~2000rpm付近の立ちあがってくる部分でのアドバンスカーブが非常にじゅうようとなります。
アナログ式では、ガバナーのスプリングがこの部分を司っています。
デジタル式では、数字を選んだりボリュームを回したりします。
最新のTWIN TEC 1005では、パソコンにつないでカスタムマップ(三次元曲線)を製作できます。
少し難しい話だったかとおもいますが、
点火時期を正しく調整すると、ノッキングがおきずらくなり、エンジン温度が下がり、トルクが増え、メカノイズが減り、始動性が良くなり、燃費が伸びるなどのメリットもあります。
あとは三拍子ですね。
どのチューニングにも言える事ですが、
○○というパーツを組むと良くなるとか、馬力がアップするなどありますが、
組みつけの精度や、調整によってそれらが引き出されるという事が一番大事です。
エンジンのかかりが悪い方、エンジンの力が弱い、熱を持つなどご心配な方、
ご相談ください。