今日は点火システムについて。
昨日の点火時期に続き、点火システムについて少し。
4サイクルエンジンで、圧縮工程前35度や、5度などでてきましたが、なぜ圧縮工程前なのか?
スパークプラグに点火してもすぐにに、燃焼状態にはならず、火炎伝播と呼ぶ、燃え広がりがおきるのです。
この燃え広がりにある程度の時間がかかります。
その為、前倒しでプラグに火をつけるのです。
混合気を圧縮していく途中で火をつけるので、すごく高い気圧の中で火をつけるのは非常に困難ですから、高い電圧が必要となります。
ですから、よいプラグ、良いイグニッションコイルの必要性がある訳です。
もうひとつは、必要なタイミングに正確に火を飛ばせること、安定して火を飛ばせる事、高回転時にも電圧低下がおきない事
なども大事な要素です。
スパークプラグに点火された火は火炎核となり、火炎伝播によって急激に体積を膨張させ、燃焼となります。
その燃焼の圧力をピストントップが受け、コンロッドを伝い、クランクを回転させます。
そのクランクに直接接続されたクランクシャフトを回す力を、トルクと言います。
最大燃焼圧力(最大に拡張した時とも言えると思います)が、上死点後10度となるように常にするのです。
ピストンが上死点ではストップ。
その後、動き始めて10度の位置で最大の力(燃焼圧力)を貰う訳です。
ブランコの後ろから人がサポートで押してあげるときに、一瞬止まりその後動き始めたところで、押してあげると効率良く勢いが増していく原理が、よい例です。
そのようにどの回転でもなるように制御できる事が理想です。
アナログ式では、ガバナーのウエイトが遠心力を受け外側に開く力を利用し、低回転時には遅角、高回転じに進角。
デジタル式では、設定したプログラムどうりに2次元カーブ、3次元カーブを描き遅角、進角します。
点火時期を調整する事がエンジン出力にとって、重要な事がお解りいただけると思います。
お客様の多くの方が望む、三拍子は、
低回転時アイドリング時ですから、上死点前5度などの遅い位置での点火によって成り立ちます。
ピストンに近い位置です。
高回転時の場合は、ピストンスピードが速いため、しかしながら火炎伝播速度は一定の為、
まえだおしで、上死点前35度などの早い位置での点火によって成り立ちます。
ピストンより遠い位置になります。
愛すべきVツインモーター、ハーレーのエンジンのトルクを最大限に引き出すために
点火システムのアップグレードや、調整といったファインチューニングについて考えてみてはいかがですか。